伝承「木の語り部」

第六回 消費者の方々の意識改革が是非必要

日本の家造りについてのお話です。元々、日本の家造りは、決して環境を壊さない、循環型の自然に優しい営みでした。自然素材でつくられた家は、環境に優しいばかりでなく、実は私達人間にとっても、大変優しく、それらが作り出す空間で、人は心身ともに癒されるということが、やっとわかってきました。ですから、やはり家は、工業製品では駄目なのですね。「衣食住」といいますが、食の安全性が大きく揺らいだ今日、同時に「住」、つまり家が住む人に与える、心身の健康への安全性も問われ始めています。そこで私は、どうしても家の内壁は、最も安全な自然素材でなければならないというふうに考えております。木・土・畳・紙、そして実は塗料も大変重要です。私は塗料は、ドイツのリボスをお薦めしています。土は珪藻土(接着剤の入らないもの)、エコクリーンを使っています。先頃、友人に頼まれて大手ハウスメーカーの築十数年の内壁、天井の壁、(畳以外の)床を貼り替えのリフォームを致しました。天井は珪藻土と杉板、壁は前面桐板、床は杉板、ビニールクロスと合板の空間が、自然素材の空間に生まれ変わったのです。香りはもちろん、奥さんが大変お喜びで、ご主人が結構タバコを吸われているようですけれども、タバコの匂いがなくなりましたと。あるいは、今まで床が冷たくてこれからの冬に向かって大変だと、しかし今年の冬は本当に暖かくて良いと、あるいは湿気がなくなりましたと、いうことで大変ご満足頂いておりまして、私も大変嬉しく思っております。また、無垢の木の手入れは、水拭きと乾拭き。これだけで良いのです。これを繰り返しますと、本当に自然の艶が出てきて、住む程に、なじんできます。これから家を建てられる方、リフォームをお考えの方には、もっともっと勉強をして頂きたいと思います。間取り、デザイン、機能、それら等も大切ですけれども、実は素材に、もっともっとこだわりを持って欲しいと思います。日本の風土に適した、木の家づくりを私達はもう一度見直さなければならないと思います。住まいは最も身近な環境です。その環境を、作り出す素材にこだわって本物の住まい、満足のいく住まいを造って欲しいと思います。

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