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私の家づくり その8 (人は家を造り、家は人を作る)

更新日:09/06/18

  先日、弊社で建てさせていただいたお客さんの依頼で、その方の会社の研修会で「木造住宅と家づくり」について約40人の社員の方に講演をさせていただきました。戦後の住宅産業の変遷や日本の家づくり、そして木の事、木と住まいのかかわり等について、日頃私が思っていることを弊社の住まいりんぐプラザ大広間で、約3時間おしゃべりさせていただきました。
  その話の中では前回のブログで書かせていただいた内容もお話しましたが、今日は古き良き時代の日本家屋の特徴についてお話してみましょう。
  日本の本州の中心部は北緯34?36度あたりに集中しています。これをヨーロッパ付近に移動すると、何とアフリカ北端から地中海のあたりなんです。緯度からすると、ヨーロッパの先進国は北海道以北の極寒の地域なのです。日本は亜熱帯の国なのかもわかりません。それなのに今時の家は、寒さばかり意識した「高気密・高断熱の家」が何と多いことでしょう。本当は昔のように夏の過ごしやすさに焦点を当てるべきなのです。また諸外国は夏が湿度が低く、冬に湿度が高くなる。日本は夏が高温多湿と、木や人間にとって過酷な気候条件なので「夏を旨とする」家づくりが長い間継承されてきたんです。「長持ち・腐らない」家づくりが絶対条件だったのです。
  その工夫が随所に見られます。●高床式(耐久性の基本はまず足元の耐久から。また昔は子供が床下にまで入って遊んでました)●深い軒の出と長い庇(古い家は今よりはるかに深い軒先で、軒裏で遊んだり溜まり場でした。全ての窓には長い庇がついていて雨でも窓を明けて生活出来ました。屋根や外壁を雨風から守り、暮らしを意識した工夫が在りました。)●全て真壁造り(木は呼吸をしています。表しにしてまず木を守り、部材・パーツの交換のし易さ、点検のし易さの工夫です)●環境にやさしいリサイクル住宅(山の木の成長年数と家の寿命がほぼ同じで自然の循環を守っていました。また、全て自然素材を利用し、畳やふすまはどこの家でも同規格で交換自由でした。全てにおいて「もったいない」思想が行き届いていました)
  6月から「長期優良住宅」が始まりました。「造っては壊す」消費型社会から、「いいものを造って、きちんと手入れをして、長く大切に使う」ストック型社会へ転換しようという理念で、CO2削減効果をあげ、住宅の資産価値を高め、長期的な生活費を削減し、中古市場の流通を活発にし・・・といろいろな効果をもたらすことが期待できます。ただ心配するのは、その精神はすばらしいですが、今こぞって準備をし実行するのはほとんど大手メーカーであり、また性能表示重視の条件付きという流れは全くナンセンスと言わざるを得ません。各地の気候風土を軽視した人工部材の大量生産住宅が、いくら物理的数値性能は高くても、長期長持ちすると言う保証はどこにもないし、それで住宅としての価値が高くなるという考えはどこか惑わされているとしか言いようがないのである。
  弊社も近く「長期優良住宅」を建設する予定です。しかしながら、従来の自然素材・健康増進住宅での長持ち癒し住宅です。メーカーのそれとは全く次元の違う「本物の長期優良住宅」にご期待下さい。

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